断熱×発熱ジャケット『フェアリーノヴァ２』をレビュー！「寒い」の口コミは本当？

クラウドファンディングで8,472万円の支援を集めた注目のジャケット フェアリーノヴァの進化版『フェアリーノヴァ２』をレビューします。

宇宙素材「エアロゲル」を元にした断熱性能で人気だった前作『フェアリーノヴァ』に、電熱ヒート機能などが追加され快適性が向上

外部環境と体を隔絶する最新の断熱材と発熱シートの二段構えで

• 通勤🚶
• バイク🏍
• 釣り🎣
• 登山🏔
• キャンプ🏕

などなど、「冬のすべてのシーンで活躍する万能型ジャケット」と発売されてからも良い評判が聞こえてきますが、実際のところはどうなのか？

寒がりのこの身で確かめてみました！

断熱×発熱ジャケット『フェアリーノヴァ２』の特徴・スペック

なんと言ってもエアロゲル由来の断熱性能「-196度も断熱」が話題のジャケットです

商品名	フェアリーノヴァ２ ジャケット
ブランド	ラシカル(rasical)
カラー	ブラック/ネイビー
サイズ	メンズ：S/M/L/2L/3L レディース：S/M/L/2L
素材	表生地：ポリエステル100% 詰め物：ヒートエーテル （エアロゲル複合素材） 裏地：ポリエステル100％
重さ Mサイズ	メンズ：約500g レディース：約400g
発熱性能	赤：53℃　紫：48℃ 緑：43℃　白：38℃ 10,000mAhバッテリーの場合 38℃設定で最大約16時間発熱 ※3時間で一旦OFFになります
耐水圧	50,000mm以上
透湿性	20,000g/m2/24h 以上
使用環境温度	−20〜40℃
公式サイト	ラシカルストア

Ver2では、前作フェアリーノヴァの購入者から寄せられた意見を元に見直しが行われ、快適性が向上されました。

身の回りのアニマルフリー化にも◎

一般的な暖かいジャケットの王様『ダウンジャケット』は名の通り”ダウン（羽毛）”が使用されています。

羽毛の持つ保温性能は高く、これまで便利に使われてきたのは事実ですが、技術の発達した現代では、「動物素材を使わないアニマルフリー素材」が主流になりつつあります。

これに関して強烈な思想を持っている訳じゃありませんが、もともと鼻炎もあり、ホコリが少ないアニマルフリーの寝具や衣類へ移行しています。

前作『フェアリーノヴァ』から進化したポイント・違いについて

電熱シートで暖かい！

バッテリーで発熱する電熱シートを背骨に沿って配置。高い断熱性能に加えて発熱性能が加わったことで、氷点下でも耐えられる防寒性になっている。

強化された防風性能、風が入りやすい「首」「手首」を対策

首元の高さを＋2cm高く、首の内径を−２cmを縮小化。これによって、今まで必要だったネックウォーマーやリストバンドが無くても風の侵入を防げるようになった。

より蒸れにくい！

新しく蒸れない生地（透湿性20,000g）を使用。常に体から出る不感蒸泄（汗ではなく皮膚から蒸発する水分）を処理できるので内部が蒸れずに快適性が向上。

フェアリーノヴァは生地の薄さが特徴です。冬用ダウンなど「暖かいけど分厚い」とは違い、「薄くて軽いのに暖かい」という直感に反した新しさで未来を予感させます。

私はリュックを使うことが多いのですが、厚手のダウンは肩周りが太くなり、リュックが使いずらいのです。かと言って、ダウンを着ないと寒く、私の中で冬の不便さを象徴するような場面でした。

フェアリーノヴァを着てみて感じたのは「リュックが使いやすい！」ということ。

フェアリーノヴァ２は薄手で、ほぼ体のラインを変えません。PVでも男性がリュックを使っていますが、ピッタリとフィットしていますね。実際に私もリュックが使いやすく感じます。

ラシカル(rasical)会社情報

フェアリーノヴァ２の防寒性能（断熱・発熱）をチェック！

エアロゲル由来の『ヒートエーテル』で断熱

フェアリーノヴァに使われている断熱生地『ヒートエーテル』は、宇宙開発でも採用されている断熱材『エアロゲル』を加工したもの。

業界を席巻する断熱材『エアロゲル』由来のヒートエーテル

ヒートエーテルとは、NASAが宇宙空間で使う断熱材「エアロゲル（aerogel）」をラシカルが独自加工した特殊生地の名称です。

エアロゲルの構造は細かく均一な多数の細孔で超低密度（スカスカな状態）。そのため、見た目は半透明で建築業界では窓ガラス用断熱材としても研究され「透明の断熱材」として知られています。

他の断熱材よりも断熱性能が高く（熱伝導率が低い）、少ない量で高い断熱性を持った衣類・寝具の開発を可能にしています。

エアロゲルの断熱性のヤバさはこの動画がわかりやすいです

ライダーにも嬉しい「風を入れない防寒設計」

フェアリーノヴァ２の防寒具としての特徴は「高い防風性能」です。

前のモデルよりも首元を狭くし、手首にはリストゲーターがあり風の侵入をブロック。バイクで最も気になる首や手首からの冷気対策が施されています。

リストゲーターは親指を通してグローブをすれば完璧な防風対策が完了。別売りでも見かけるバイク乗り御用達グッズです。この部分はインナーのように柔らかくて伸縮性のある生地なので、使わないときには邪魔になりません。

また、防水性能を高めている「止水ファスナー」も、強い風を受けても冷たい空気の侵入を防いでくれます。

モンベル・コロンビアなど、アウトドアブランドが好きな私も「こんなファスナーがあるのか！」と驚きました。調べてみると「YKKのAquaGuard(アクアガード)®」という商品で、防水バッグや登山用フェアにも採用されているようです。

ピッタリとしていて、とても風の侵入する余地はありません。一般的なファスナーよりも高価になので、これが付いていると嬉しい気持ちになります。

難点としては、熱に弱く、乾燥機は不可なところ（洗濯は可能）。あとは普通のファスナーより開け閉めが堅めなところ。やはり一長一短あります。

フェアリーノヴァの断熱×防風は不思議な感覚で「体と外部が隔絶されている」というのがしっくりきます。

寒い冬の海でもこの防風性能があれば上半身は大丈夫（他、下半身は寒かったです🥶）。

これにヒーターで発熱させれば隔離された空間に熱源を灯すことができます。中の空間がめちゃ暖かいです。

ヒーター内蔵で内部からも発熱｜洗濯・使えるモバイルバッテリーは？

フェアリーノヴァ２には、腰と背部にバッテリーで発熱する電熱ヒーターが搭載されています。断熱された内部で発熱するのは「魔法瓶の中に熱源がある」ようなもの。暖かさが内部へとどまります。

バッテリーに差し込めば自動で発熱開始！
瞬時に暖かくなります。

実験のためにインナー１枚のみで摂氏２度の海へ行ったのですが、フェアリーノヴァ２の中は「風も寒さも感じない隔絶された空間」でした。その中で発熱が作用するので体が温もるのを感じました。

『発熱ジャケット×宇宙素材の断熱性能』なんて素敵なんだろう。。。

ラシカルが行ったサーモグラフィーでの実験画像、背中を中心に熱が発生して体全体が暖まっているのがわかります。

↓たまたま商業施設でサーモグラフィーがあったので撮ってみました。発熱しているのがよく分かりますね。

ちなみに、ヒーター付きですが、そのまま洗濯できます。

10,000mAh容量のバッテリーで最大約16時間の発熱

発熱シートは少なめに設計されていますが、断熱性能が高いのでシートが少なくても十分暖かい。いちど発熱を始めると瞬時に衣類内部が暖まるのを感じます。

断熱性が高く、発熱シートが少なくても暖かいので省電力。たった10,000mAhのバッテリーでも16時間発熱できます(安全装置で3時間毎に電源がOFFになりますが合計で16時間発熱)。

ボタンは左の内側にあり、モバイルバッテリー収納用ポケットも150×110mmの大きさで、大半のバッテリーは収納できます。

実際に私は手持ちのモバイルバッテリーが大きめなので買い替えが必要かと思っていたのですが、大きな収納ポケットで助かりました。

もっとも10,000mAhのバッテリーならドンキとかワークマンで1,000円程度でも小型が入手可能なので、フェアリーノヴァ用に購入しても良いと思います。

冷え性の私は以前、「発熱靴下」をレビューしたのですが、その時は「ヒーター以外が寒い！！」となりました。つまり、ヒーター以外部分の素材が大事なわけで、断熱性がない素材だと結局熱は逃げて寒いのです。

その点、フェアリーノヴァ２の場合は断熱材ヒートエーテルが発熱をしっかり内部に留めてくれるため上半身がホカホカの状態になります。数々の発熱グッズに失望した私も「これだよこれ！」と言いたい気持ち。

ラシカルが推奨しているバッテリーはこちらですが、規格が合っていれば問題ありません。

より長い時間使えるのはこちら

デメリット：外から操作できない

フェアリーノヴァ２の電熱ヒータースイッチは内側にあるため、色を確認しながら操作するときはファスナーを開ける必要があります。

慣れれば「今どの色なのか」頭でわかりながら使えると思いますが、それまでは「ヒーターを使いたい＝寒いときに前を開ける矛盾」を感じました。

まるでレインウェアなフェアリーノヴァ２の防水&透湿性能をチェック！

レインウェア並みの「耐水圧50,000mm」を実験

耐水圧の単位は「mm」。
生地に面積１平方センチメートルの水柱を立てて、例えば10,000mm(10m)なら、「その柱が10mでも水が染み込まない」ということになります。

高い方が耐水性がよく、実際にの雨のレベルでは以下のようになっています。

小雨	300mm
中雨	2,000mm
大雨	10,000mm
嵐	20,000mm

レインウェアの基準は「嵐を耐えられる20,000mm以上」のもの。フェアリーノヴァ２の耐水圧はその倍以上、50,000mmです。

この動画の実験でも撥水・防水はわかったのですが、驚いたのは「洗濯したときに水が抜けないほど防水が効いていたこと」でした。

洗濯中にフェアリーノヴァ内部へ溜まった水が、脱水しても抜けていませんでした。

※洗濯の際は裏表をひっくり返すと上手くいきます

汚れない防汚性も◎

防水性があると言うことは、表面に付いた汚れが落ちやすいということです。トマトケチャップとマヨネーズで実験してみました。

水流で流すていどでケチャップは綺麗になりましたが、マヨネーズは油分のせいか表面に残りました。ただ、ティッシュでサッと拭っただけで完全に取れたのでメンテナンスとしては簡単です。

これなら出先で脱がずに食事ができますね😁フェアリーノヴァの下はインナーしか着なくてもいいので、お店で脱ぎにくいんですよね。

汗をかいても蒸れにくい「透湿性」の高さ

外からの水の侵入を防ぐ耐水性と同じくらい快適さに大事なのが、内から出る蒸れを逃す「透湿性」です。

「生地1㎡あたり、24時間で何gの水分を透過するかを示すのが透湿性の数値」例えば、透湿性5,000gであれば、1㎡あたり24時間で5,000gの水分を透過するという意味になります。透湿性が高い衣類は、衣服内で水滴になる前の蒸気の状態で外に排出するため肌に張り付かず不快になりにくいのがメリットです。

レインウェアの基準が8,000g/m2のところ、フェアリーノヴァ２は35,000g/m2とさらにハイスペック。

普通に着ているだけでは実感が湧きませんでしたが、フェアリーノヴァを着て日課の散歩に出かけると、透湿性の意味がわかりました。

散歩を始めてしばらくすると体が温もり、電熱ヒーターもオフにしますが、少しずつ汗ばんできます（この辺の防寒性はさすが）。いつもならアウターを脱いで腰に結ぶところですが、着たままでも蒸れを感じにくく、快適でした。

フェアリーノヴァ２になって透湿性がアップされたことで、暖かいだけではない快適な着心地になっているようです。

フェアリーノヴァ２のサイズ感・おすすめは少し大きめ

フェアリーノヴァ２のサイズ表と実際のサイズ感

サイズ交換は１度限り可能・注意点

ラシカルのホームページではサイズ交換について以下の情報が記載されています。

サイズに関しては１度限り無償で送付致します。ただし、お客様から返送される際の配送料は元払いにてご負担お願いしております。支援数に基づいて生産サイズ数を調整しておりますので、サイズがなく対応できない場合もございます。また、タグカット済みや汚れ付着、洗濯済み、使用跡などが見られた場合ご対応できませんので、必ず届いてからすぐ使用前のサイズチェックをお願い致します。また、予約頂いた分をお客様のサイズに合わせてお作りしますので返品は不可とさせて頂きます。

ラシカル

デメリットはデザインの好み、バリエーションの少なさ

フェアリーノヴァ２は薄手で（かなり）暖かく、ジャケットとして万能の機能性を発揮しています。

しかしながら、デメリットが無いわけではありません。

具体的には、シンプルで無駄のないデザインは好みが分かれるところです。

フェアリーノヴァ２を私の親戚のバイク乗りに見てもらったところ「シンプルすぎる。もっとカッコつけたいんだよね。」とのことでした。

これは年齢や性格にもよると思いますが「仲間うちでのファッション評論では、バイク界隈ですでに有名なブランドが受けが良い」とのこと。

フェアリーノヴァのデザインは左胸にrasicalのロゴマークのみの無地無柄です。

シンプルなデザインのフェアリーノヴァは好みが分かれるところのようでした。

-3,000円クーポンあり！最安購入は公式サイト

フェアリーノヴァ２や全てのラシカル製品の購入に使えるクーポンを発行しています（会計５万円以上で利用可能）。

クーポン
2PPKGXUIGV

会計が５万円以上で3000円オフになるクーポンなので、ジャケットと合わせて防寒パンツ・マフラーなどを購入するとお得になります。

気になる方には「お試しレンタル」サービス

通販で衣類を買うのは躊躇しますよね。

ラシカルは「試着→良ければ購入ができるお試しレンタルサービス」があるので、そちらを活用するのもいいと思います。

フェアリーノヴァジャケットの他に、肌着やパンツなどもあり、まず10日間のレンタルで使用して購入を判断することができます。